第15期雀竜位戦D級予選・D級戦

2016年10月12日

 1年間或いは半年間固定のメンバー内で競って、その結果で昇降級をワンランクずつ行うリーグ戦(雀王戦)とは違って、ワンデーの競技会を勝ち上がり続ければ1期で頂点(タイトル決定戦)まで進出する可能性があるのが、この「雀竜位戦」というタイトル戦です。とはいえ、そこまで至るにはあまりに高く険しいピラミッドを登り続けなければいけないので、流石にいきなりタイトル云々は非現実的ではありますが…今期どこまで到達するかで来期のスタートも変わってくるので、少しでも結果を残せるように頑張りたいところです。

 D級予選は12名→8名、D級戦は10名→4名と比較的緩やかな勝ち上がり条件で、それぞれ1日かけて行われました。

D級予選

 会場を見渡すと、ヴェストワンカップ連覇など関西の若手では最もタイトルをかき集めている田内翼プロがひときわ輝きを放っています。田内プロと打ちたいなあとぼんやり考えていたら、いきなり1回戦目で同卓。

東1局南家、ドラ四筒

二萬三萬一筒二筒三筒四筒四筒六筒八筒二索五索白中ツモ白

 最低でも白ドラドラ、理想は白ホンイツドラドラ、或いは上手く伸びれば白トイツ落としでの平和三色ドラドラなんかも…と夢を見つつ、第1打五索。結果から言えば、これが地獄への入口でした。その後索子の4~8をひたすらツモ切りすることになり、捨て牌はどんどん異常になるが手牌は全く進まず。周囲も様子見で字牌をケアしつつの重い場になって、誰も動けない…というところで、北家の田内プロが「ツモ、3,000/6,000」。

一萬二萬三萬七萬八萬九萬南南南白白中中ツモ中

 これ後で聞いたんですが、田内プロ配牌では1面子もないところから、五索のトイツ落としから入っているんですよね。それこそ開局早々ならば目立たないように孤立の字牌から切ってもいいところで、それだと恐らくツモ中の700・1,300ぐらいで終わっている手。どうせ場が重くなるならと一番高くて遠い所を迷わず目指して行った戦略の一打…やっぱりこの人カッコいいなあ。

 「リスペクトする相手には負けがち」という、ごく普通の”麻雀あるある”に従って、この回は何もできずに3着終了…でも対局後に少し待ち時間があったので、今戦った面子で質問し合ったり議論したりできたのが、本当に勉強になったし「プロになった感」(笑)があって嬉しかったです。

 その後は「リスペクトしてるばっかりだと、このまま飲み込まれるぞ」と自らを叱咤激励して、2回戦目からは1・2・2・1着と持ち直してすんなり12名中3位で通過できました…あれ?珍しく自分が勝った自慢のシーンはナシですか?仕方ないよ、ほとんど何も覚えてないんだから。

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 唯一覚えているのは、

四萬伍萬六萬四筒五筒六筒一索二索三索四索六索七索八索ツモ五索ドラ五索

 で、あの「偏執的三色&一通マニア」の高見プロが素直に一索切りリーチしたことぐらい。お陰様で無事五索ツモってトップ取れました…って、これは流石に当たり前ですね。

 この日の勝因は、2回戦目の前にあんぱん食べてブドウ糖入れたことです(真顔)。

D級戦

 この日はいきなりラススタート。最初の半荘、何度か自分でも押し引きおかしいと思う場面があったけど、全部横移動で幸いにもミスが失点に繋がらず…しかし他の局もさっぱりアガれず地蔵ラス。プロとしての対局18戦目にして2度目のラスが、肝心な「5半荘トータルで10人中4人勝ち上がり」の初戦に来るとは…でもここで挫ける訳にはいかない、と歯を食いしばって巻き返しを期します。

 2半荘目は、ラス前にトップ目から不用意なデバサイ打って陥落という体たらくから、オーラス5,200直撃or満貫ツモ条件で、針の穴を通して一通ドラ1のペン七筒を聴牌、終盤に直撃に成功しての逆転トップ。3半荘目は、4巡目リーチでリーヅモメンホン白なんてバカヅキもあっての楽なトップ。これでなんと、一気にダンゴ状態のトータル暫定1位にまで到達…でもまだ全然気は抜けない。

 この日のポイントは次の4半荘目。

 比嘉プロがダントツで、自分は2着目とも20,000点差、3着目とは3,000点差のラス目。自身の親が流れて、もはやなんとか3着を奪取するのがミッションとなった南2局に、3着目の親がリーチ、2着目もベタオリはしてないという状況で自分の手牌が以下の一向聴。

四萬伍萬伍萬一筒二筒三筒五筒五筒六筒七筒五索六索八索八索

 三色移行もなくはないけど現状は平和のみの一向聴、これでは伍萬五筒八索も全部危険牌という状況から押し返せる訳がない。3着取りにはとにかくここで振り込まないのが第一なので、リーチ者が切っている一筒二筒を落としていくことに。

 一筒を切った次巡三萬ツモ、真っ直ぐ行ってればここで追っ掛けられたな、内心と思ったけど、何食わぬ顔で打二筒

 ここでリーチ者の捨て牌にある四索に合わせてバラバラと四索七索が切られて行き、更にリーチ者が五索六索をツモ切り。索子は全部通るような状況になったところで、自身の手牌は以下の形。

三萬四萬伍萬伍萬三筒五筒五筒六筒七筒五索六索八索八索ツモ伍萬

 おや、これは。安全第一ならば現物の五索六索だが、万が一四筒を引ければ押し返せるようにと、僅かなリスクはあるが八索を落としてみる…と、無事通って、なおかつ次巡その「万が一」がやってきた。

三萬四萬伍萬伍萬伍萬三筒五筒五筒六筒七筒五索六索八索ツモ四筒

 黙っていればもうタダ貰いの四索七索待ちだけど、こうなったら「リーチ!」。2軒リーチに詰まった部分もあったのか、或いはドラ(確か八萬とか)の居所が分かってて子方に打っても安いと踏んだのか、比較的すんなり2着目から七索が出てきてアガリ。メンタンピンになんとか裏1枚来い!と念じながら裏ドラ表示牌を見ると、そこにはなんと四萬が。「12,000」…なんと都合の良すぎる2着目に浮上。

 今日ここまでリーチを掛けて8回アガって1枚も裏ドラが乗っていないなかったのが、一番大事な時にまとめて乗ってくれた!という、オカルトは話はさておき、いきなり押し返さずに、しかしベタオリせずに粘るという、今時のデジタルっぽくない「回し打ちからの復活」がハマったのは嬉しかったですね(蛇足ですが親リーチはカン伍萬だったらしく、真っ直ぐ行ってれば振り込んでラス濃厚でした)。

 5半荘目は僅差のラスでしたが、これは10人から下位2人足切りで、全員のポイントが分かった上で同卓内で2番手以内を確定しての納得ラス終わり。結果的に4・1・1・2・4着で微差の勝ち上がり(10名中3位)でしたが、最後は計算通りと強がっておきます。

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C級戦へ

 次はC級戦、普段は絶対同卓できない京大卒のAリーガー・雀王決定戦進出を決めた角谷ヨウスケプロらが加わって、6名での濃厚な対局。格の違いを見せ付けられないように、なんとか抵抗したいものです。

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